東大卒のお金やりくり奮闘記~株、家計、趣味、経済~

東大卒でメーカー勤務の私がセミリタイアするために投資などを頑張っていこうという趣旨で始めたブログです。既婚男性です。株、家計、趣味、経済の話をメインにゆるゆる話します。

ドルコスト平均法と一括投資のリスクの考え方

おはようございます。しほみんです。

 

今日は年末に話したリスクとリターンについて深堀した話をします。

去年末の話はこちらです。

 

www.yuriyurusukejasmine.work

 

 

 

 

この話のもとはリスクを面積で表現して、時間分散の是非を問うような記事があったことから始まっています。これ自体にはやはり違和感を持っていたので、ちょっと再整理して考えてみました。これも相場が数学的にはどういうものかという判断さえできていれば、ちょっと違うなってわかります。

 

今日はその話ができたらいいなと思います。

 

今日は以下のことを話します。

1. 相場の数学的な解釈~正規分布の導入~

2. 正規分布の理解

3. ドルコスト平均法と一括投資のリスクの考え方

 

1. 相場の数学的な解釈~正規分布の導入~

相場のリスクとリターンがまず数学的にどんな認識か確認します。

 

一言でいえば、「正規分布に従ったものである」

 

正規分布については次の項目で説明するので、まずはなぜ、この正規分布で説明できるか考えます。

 

正規分布は人が定義したものですが、試行回数が多いものだとこれに従うといわれています。

 

株式相場も100年以上の歴史があり、過去の結果からほとんど正規分布になることが、実験的に知られているので、この正規分布で考えるということは正しいとなります(知りたい場合は「株のリターン 正規分布」で調べると細かい情報が出ます)。

 

ちなみに試行回数というのは1年を単位にして1回とします。100年なら100回ということも留意しておいてください。

 

また、この正規分布に従うのはインデックス指数に該当するものだけです。というのも個別銘柄においては人為的に会社を成長させるという前提があります。なので、基本リターンはプラス向きです。この状態では正規分布には従いません。

 

2. 正規分布の理解

ではさっき出てきた正規分布って何だって話です。

 

それはある事象(ここでは相場のリターン)は1回やると以下の確率(y軸)でリターンが得られるということです。平均というのが平均リターン、分散というのがリスクに該当します。リターンの起こる確率の総和は1(=100%)です。


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そして、その分布が示すことは、以下のことです。

1年間で(リターン)+(リスク)から(リターン)-(リスク)の%になる確率が68%

1年間で(リターン)+2×(リスク)から(リターン)-2×(リスク)の%になる確率が95%

 

 

そして、リターンは平均リターンとなる確率が高いです。また、リスクが大きいと、そのリターンとして得られる数値がぶれやすくなるってことです。つまり、平均とはかけ離れたことも起こりやすくなります。


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ちなみに暴落や暴騰というのは極めて平均からかけ離れた値を示すので、数十年に一度程度しか起きないってわかります。-30%以上の下落とか50%の上昇とか結局5%の確率でしか起きないので、たまにあるんだなって感じで備えることができます。

 

正規分布についてはインデックス指数ではとにかく重要な概念です。これを理解するだけで、インデックス投資することは正規分布に従ったものに投資するって理解できます。

 

3. ドルコスト平均法と一括投資のリスクの考え方

先ほどからもうしていますが、相場のリスクとリターンは正規分布での平均と分散です。よって、そもそもリスクは面積的に表すには無理があります。

 

よって、それぞれの手法のリスクを見積もるならきちんと考えないとなりません。両方とも長期で投資すると考えます。そのとき、正規分布というのは以下の性質があるのです。

 

試行回数が増えると、分散(リスク)が1/√(試行回数)になる。

たとえば、20年だと試行回数が20回あるので、リスクが1/√20になります。以下の感じになります。


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平均リターンは変わりませんが、マイナスのときがたとえ何回かあっても、プラスでうまく打ち消していって最終的には平均リターンの近くになる確率が上がるってことです。

 

でこのことを踏まえて考えます。投資期間は20年とします。

・一括投資の場合

投資期間は20年なので、得られるリターンのリスクは年数経つことでどんどんリスクが減っていきます。というか年数がたつとその今までの結果を吸収してどんどんスリムなグラフになるからです。

 

・ドルコスト平均法

ドルコスト平均法はちょっと厄介です。毎年一定額お金を入れていくってことですので、1年目に入れたものは20年投資期間があります。2年目に入れたものは19年投資期間があります。3年目以降もどうようです。つまり、投資期間が短い金額があるので、その分リスクは大きくなります。よって、最初に投じたお金はリスクが下がっていく一方、途中で投じたお金はリスクが高くなります。

 

そうするとトータルのリスク自体はあんまり変わらないってなります。一応、時間分散はとれているってことになります。

 

よって、リスクという観点で言えば、一括投資の方が有利になります。

 

ただし、一括投資はリスクがどんどん下がっていくので、結局儲けられる可能性も下げてしまうことになります。一方、ドルコスト平均法の方であれば、いつの時代でも一定のリスクを保つので、平均リターン以上を得ることも可能になるって感じです。

 

 

最後に...

正規分布を使って一括投資とドルコスト平均法のリスクの見積もりを行いました。リスクがパーセンテージで扱われると考えると面積で考えるってより、この得られるリターンのブレ幅という考えを持つべきです。ドルコスト平均法は毎年お金を投資することでリスクは上昇させていますが、同時に今まで投資したお金のリスクを下げるため、時間分散っていう観点ではよくできていると思います。

 

少なくともこの違いを理解したうえで、一括投資かドルコスト平均法か選ぶといいと思います。ではでは。